M5Stack用計量ユニットでキッチンスケールを作ってみた

M5Stack用計量ユニットを使って、キッチンスケールを作ってみました。

GROVEコネクタでの接続ですが、インターフェイスはI2Cですので、Arduino等でも使用できます。

構成はこんな感じで、ロードセルとADCをSTM32でアクセスしてg単位の重量に変換。
I2Cで、重量値を送信しています。

HX711の操作ではなく、STM32に対するI/Fなので、扱いが簡単です。

I2Cレジスタ

STM32とのI/Fになるレジスタマップは公式(製造元)ドキュメントに記載されています。
テキストではなく、なぜかイメージデータなので見づらいですが…
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各レジスタの意味は大体わかりますが、Filter レジスタは意味が謎です。
名称からの推測ですが・・・多分、合ってると思います。

LPFilter（Low-Pass Filter）：　設定値　０～１

低域通過フィルターであり、指定した周波数以下の信号成分のみを通過させるものです。
主に高周波ノイズを除去するために使用され、急激な変化（高周波成分）を抑制する効果があります。
過度に敏感なロードセル信号を平滑化するために利用されることが多いです。

AvgFilter（Average Filter）：　設定値　０～５０　ディフォルト値１０

移動平均フィルターと思われます。
一定数の最新データを平均することで、ランダムノイズを平滑化し、安定した出力値を得る方法です。
短期間のノイズ除去に有効で、計測データが急激に変化しない場合に安定した結果が得られます。

EmaFilter（Exponential Moving Average Filter）：　設定値　０～９９　ディフォルト値１０

指数移動平均フィルターと思われます。
最新データに対して過去のデータよりも高い重みを与えながら平滑化を行います。
応答速度が速く、データ変化への追従性とノイズ低減のバランスが取れるため、計測値がある程度変動する場合にも対応できます。

ＲａｗＡＤＣはロードセルの読み取り値と思われます。
キャリブレーションに使用します。

キャリブレーションの方法は
(1) Reset Offset
(2) RawADCを取得、RawADC_0gとする。
(3) 100gの重りを乗せてRawADCを取得、RawADC_100gとする。
(4) GAP=(RawADC_100g-RawADC_0g)/100 を計算する。
で得られたGAP値を GAPレジスタに設定します。
※校正用の分銅が必要なので、下手に弄らない方が吉

ライブラリ

レジスタに値を読み書きするだけなので、ライブラリと言うほどのモノは不要ですが、
自前で組んでも公式のライブラリとほとんど同じになりそうなので、
公式のライブラリのUNIT_SCALESクラスをそのまま使用した方が手っ取り早いです。

UNIT_SCALES クラスメソッド

型	メソッド	備考
bool	begin(TwoWire *wire = &Wire, uint8_t sda = 21, uint8_t scl = 22,uint8_t addr = DEVICE_DEFAULT_ADDR)

float	getWeight()	重量読み取り g単位
int32_t	getWeightInt()	重量読み取り 1/00g単位
String	getWeightString()	重量読み取り g単位最大15文字(末尾null)

void	setOffset(void)	０表示セット

int32_t	int32_t getRawADC()	ADCの読み取り値
float	getGapValue()	キャリブレーション値読み取り
void	setGapValue(float offset)	キャリブレーション値設定

bool	setLEDColor(uint32_t color)	RGB-LED色設定　：　RGB各1Byte
uint32_t	getLEDColor()	RGB-LED設定色読み取り
uint8_t	getBtnStatus()	ボタン状態読み取り

bool	setLPFilter(uint8_t en)	ノイズ除去フィルター設定　0~1
uint8_t	getLPFilter(void)	ノイズ除去フィルター設定値読み取り
bool	setAvgFilter(uint8_t avg)	移動平均フィルター設定(0~50、ディフォルト値10)
uint8_t	getAvgFilter(void)	移動平均フィルター設定値読み取り
bool	setEmaFilter(uint8_t ema)	指数移動平均フィルター設定(0~99、ディフォルト値10)
uint8_t	getEmaFilter(void)	指数移動平均フィルター設定値読み取り

スケッチ

M5Stack BASIC用
　計量ユニットの全てのレジスタを表示するスケッチ　GettingRegister
　動画で使用したキッチンスケールのスケッチ GettingWeight
　どちらも公式のサンプルスケッチをベースに表示を変えているだけです。

MiniScaless.zip
　・GettingWeight：キッチンスケール(大型表示)
　・GettingRegister：全レジスタ表示
　・calibration：キャリブレーション(GAP値設定)

M5Stack用 計量ユニットでキッチンスケールを作ってみた

I2Cレジスタ

ライブラリ

スケッチ

解説動画

M5Stack用計量ユニットでキッチンスケールを作ってみた